「遠山くん、なんで私の居場所がわかったの……?」
「それは……なんとなく?ですかね。 俺、あんまり勘は鋭くないんですけど、今日はなんとなくわかったんです」
「なによそれ……変なの」
あまりパッとしない遠山くんの答えがおかしく思えて、少し笑ってしまった。 さっきまで恐怖でバクバクと大きく鼓動を打っていた心臓も、いつの間にか落ち着いている。
釣られて笑っている遠山くんは、私の頭を優しく撫でてくれた。 そんな遠山くんの行動にまた違った意味で心臓が鼓動を打ち始め、恥ずかしくなって俯いてしまう。
「帰りましょうか。 明日も仕事ですし……夜道は危ないから、送ります」
「え、遠山くん、帰るの遅くなるからダメだよ」
「俺、明日夜勤なので大丈夫です。 それに、1人にするのが心配なので」
そう言った遠山くんは私の手を取って、職員入り口の方をめがけて歩き始める。
途中誰かに会ってしまわないか不安になったけれど、別に遠山くんとはやましい関係ではないことを思い出した。
梅沢先生とも会わないか不安でいっぱいだったけれど、遠山くんが一緒なら大丈夫。
なぜか、そう思えた。
* * *
まだそんなに遅い時間ではないからか、駅には帰宅する人たちがちらほらいる様子。
自分の最寄駅を2駅ほど過ぎたにも関わらず、遠山くんは私のアパートの近くまで送ってくれた。
「それは……なんとなく?ですかね。 俺、あんまり勘は鋭くないんですけど、今日はなんとなくわかったんです」
「なによそれ……変なの」
あまりパッとしない遠山くんの答えがおかしく思えて、少し笑ってしまった。 さっきまで恐怖でバクバクと大きく鼓動を打っていた心臓も、いつの間にか落ち着いている。
釣られて笑っている遠山くんは、私の頭を優しく撫でてくれた。 そんな遠山くんの行動にまた違った意味で心臓が鼓動を打ち始め、恥ずかしくなって俯いてしまう。
「帰りましょうか。 明日も仕事ですし……夜道は危ないから、送ります」
「え、遠山くん、帰るの遅くなるからダメだよ」
「俺、明日夜勤なので大丈夫です。 それに、1人にするのが心配なので」
そう言った遠山くんは私の手を取って、職員入り口の方をめがけて歩き始める。
途中誰かに会ってしまわないか不安になったけれど、別に遠山くんとはやましい関係ではないことを思い出した。
梅沢先生とも会わないか不安でいっぱいだったけれど、遠山くんが一緒なら大丈夫。
なぜか、そう思えた。
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まだそんなに遅い時間ではないからか、駅には帰宅する人たちがちらほらいる様子。
自分の最寄駅を2駅ほど過ぎたにも関わらず、遠山くんは私のアパートの近くまで送ってくれた。



