星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

不意打ちでの笑顔に、なぜか私の胸が高鳴ってしまう。 それに加えて見つめていたことがバレてしまって、慌てて視線を砂浜へ落とした。


「井筒さんは、なにか好きなものありますか?」

「え、好きなもの?」

「海とか山とか、そんな感じのもので」


慌てふためいている私の背中に、遠山くんは質問を投げかけてくる。

好きなもの……か。 ここ最近あんまり深く考えたこともなかった。 というよりも、仕事が忙しくて自然に目を向けるなんてこと、しなくなっていたかもしれない。


「……私さ、星空が大好きなの。 特に、冬は空気が澄んでいてすごく綺麗に見えるから好きよ」

「いいですね、星空。 最高じゃないですか」


そう言った遠山くんは、空を見上げる。 釣られて私も空を見上げると、夏の大三角形を作っているデネブ、ベガ、アルタイルがひと際目立って輝いているのが目に入った。


……そうだ。 私は星空が好き。


星が好きで、大学時代は星空を観察できるサークルに入っていたのだった。 大学を卒業して就職して、梅沢先生との関係が始まってからはそっちに一生懸命で、「星空が好き」という感情は、どこか遠くに置いてきてしまっていた。

久ぶりに見上げた星空は変わらず綺麗で、私の悩み事なんかちっぽけに思えてしまう。