お昼ご飯の時間を過ぎている午後3時の休憩室は、誰もいなくて静まり返っている。

自動販売機で紙カップのコーヒーを購入すると、テーブルに突っ伏した。
こうして1人になると、自然と涙が溢れてくる。

本当は、すごく辛い。
こんなに悲しい思いをするくらいなら、梅沢先生との関係は切ってしまった方がいいこともわかっている。

それなのに、梅沢先生にすがりついてまともな恋愛もせず、いつかきっと私だけを選んでくれることを期待しているなんて……そんなのバカげてるよね。

でも……終われないのは、どうしてなんだろう。


「星七、ここにいたのか」


急に背後から名前を呼ばれ、驚いて顔を上げた。
振り向くと梅沢先生が立っていて、心配そうに私を見ている。

どうしてここがわかったのだろうか。


「泣いてたの?」

「泣いてません……ただ、ちょっと体調が……」

「星七、一昨日はごめんな? 急に子どもが熱を出してしまって。 直接顔を見て、謝りたかったんだ」

「そう……でしたか。 私は大丈夫です」


嘘。 全然大丈夫なんかじゃない。
大丈夫どころか、こんなにも傷付いて、仕事にも支障が出てきてしまっている。

梅沢先生が私とのデートをキャンセルした理由も知っているけど、それすら言えない。