となりの君へ

そのまま走って蒼太の目の前に立つ。

「あのね、わたし、蒼太に、言いたいことが、あるの」

全速力で走った私はなかなか息が整わない。

「ゆっくりでいいよ」

そう言われたけど、気合いで落ち着かせる。

「蒼太のことが好きです!私と付き合ってください!」

勢いよく言って頭を下げた私だけど、内心ビクビクで顔を上げるのが怖い。

「…」

しかし蒼太からはなんの返事も返ってこない。

不思議に思って、ゆっくり顔を上げる。