となりの君へ

やっぱり類も優しくて、それが身に沁みた。

「未紘。未紘もちゃんと言いなよ」

「え?」

「きっと、待ってる」

どうやら、私が誰を好きなのか、類は知っているようだった。

「…うんっ!」

「頑張れよ」

類のエールを背中に受けながら、私は蒼太の元に走った。



とりあえず、家の方面。

ひたすら走って、1秒でも早く蒼太の元に。

愛しい後ろ姿が見えた時、私は叫んだ。

「蒼太!!」

彼はびくっとして振り向く。