菜緒の家は僕と未紘よりも遠いところにあった。 「じゃあね、菜緒。蒼太も」 「じゃあね」 未紘が帰って、僕も自分の家に入ろうとしたときに菜緒に呼び止められた。 「蒼太、ちょっといい?」 「どうしたの?」 「あのさ、蒼太って未紘のこと、好きだよね」 驚いた。 未紘を守ろうとはしてたけど、幼馴染の範疇を超えないように、気づかれないようにしてきたのに。 そう思った僕の思考を読むように菜緒が言った。