一年ももう、終わりに近づいた頃。

あれ、燈矢遅いな。今日部活なしで一緒に帰
ろうって言ってたのに。

心配だな...燈矢の教室まで行ってみようか
な。

「あ、あの、」

ん、あ!燈矢、と女の子?何してるんだろう

何となく胸騒ぎがした。

「私、燈矢くんの事が好きです。燈矢くん彼
女も居ないし...」

いや、いやだ。聞きたくなかった。

私より可愛いし、人気のある子じゃん。

勝てるわけない。

外は雨がドシャ降りだった。傘も構わず雨の
中を走っていく。

あんなの、嘘だ。

今はただ信じたくなかったんだー。