目を覚ましたそこは飛び降りた瞬間だった。
死んでなかったんだ 。、

さっきのは夢だと悟った瞬間、猛烈に死ぬ事
が怖いと思った。

ー 助けて。

声にならない声でそう叫ぶ。彼に会いたい。

そう思った時、

ーパンッー

「桜夜、掴まって!」

と、誰かが私を引き上げてくれる。

「危ない、大丈夫?桜夜」

安堵と不安がせめぎ合って涙が溢れてくる。

「ごめん、ありがとう、」

「辛かったね、もっと早くに助けてあげられ
なくてごめんね。」

優しくて安心する声ー。

そっと、抱き締めてくれる。

夢の中で感じた男の子と似てて、彼を改めて
見てみる。

よく見ると彼は夢の中で会った男の子だっ
た、

だとしたら分からない事だらけだ。

「な、なんで、私の事知ってるの?」

そう聞くと、彼は優しく微笑みながら答え
た。

「うん。知ってるよ。とりあえず後で説明す
るから今はゆっくり休もう。」

「うん...ありがとう」
頭の整理が追いつかなかったけれど、精神的
に疲れた私は今は彼の言うように休むことに
した。