「やべーかわいすぎる」「えっかわいい」



通るたびにみんなが振り向く。






生まれつき色素の薄いふわふわな猫毛。




ヘーゼル色の瞳に桜色の唇。



白雪のような肌と華奢な体型。



学年一の美少女、佐久間美桜。



ではなくその横にいる私、横田早紀。


黒いのか茶色いのかよくわかんない髪に、水泳で


培ったゴツめの肩。すぐに血色を失う唇とそばか



す。美桜かけ離れた容姿だ。





私と美桜は小学生からの幼なじみだ。



小さい頃から可愛かった美桜はずっとちやほやさ



れていた。かわいいから何もしなくても向こうか



ら人が寄ってきて友達ができるし、常に笑顔だか



ら先生からの評判もいい。正直うらやましい。そ



んな美桜を妬んだ時期もあったけど、どうにもな



らないことを小学生6年生で悟った。






「美桜ちゃんかわいいけど友達地味くね?」



「早紀、気にしないでいいからね」



正直慣れっこだ。それはずっと前からわかってた



から。私のことはいいけど、美桜がそんなふうに



言われるのは気の毒だなあとおもう。