ずっと、そばにいるよ

航也と翔太が風呂から出ると既に時刻は夜9時半。

診察や点滴セットを持って、2人は美優と華の部屋に行く。

華が出迎える。

「よっ、華」

「2人ともお疲れ様」

「美優は?」

「2人の事待ってて、さっきまで起きてたんだけど寝ちゃったの」

「あぁ、いいよ。そのまま診察しちゃうから」

美優の診察をしていく。発作の後の喘鳴がまだ聞こえているが、大きな発作だったから仕方ない。

脈もまだ早く微熱もあるため、航也は点滴を刺す。

点滴を刺しても美優はぐっすり眠っていた。

「美優、疲れたんだな…」

翔太も心配する。

「点滴終わるまで1時間くらいかかるから、華も先に寝てていいぞ。俺ら点滴終わるまで隣の部屋にいるから」

航也が言う。

「ううん、私もまだ起きてられるから大丈夫」

3人は寝室の扉を閉めて、隣の部屋で座って話す。

「2人とも今日はお疲れさん。翔太も華も忙しそうにしてたな」

「航也だってバタバタの1日だったな」

「まぁな、それにしてもあの医学生に誘われて手持ち花火するとはな…参ったよ…」

「本当それな…びっくりしたわ。あの子、医学生なんだろ?」

「そうなんだけどな、花火の煙を吸って発作が起こるかもしれないって、そこまで考えれなかったんだろ」

華が口を開く。

「その医学生ね、美優の話によると、彼氏いるのかとか色々聞いてきて、美優に告白してきたみたい。付き合って欲しいって。美優が彼氏がいるって言ったら諦めたような感じだったらしいけど…」

「え?マジ?あの医学生、確か何度かボランティアに参加してて美優とも面識あったけど…」

翔太が振り返る。

「美優は可愛いし大人しいから、男が放っておかないよ。彼氏がいるってわかって諦めてくれたならいいけどさ。美優の具合も考えないで自分の思いばかりちょっと強引だよ…」

こればかりは華も怒り心頭みたい。

「処置室で俺と牧田先生とで説教しといたから、さすがにわかっただろ…」

「あっ、でも美優には言わないで。航也に心配かけたくないから言わないでって言われたんだけど、2人の耳には入れといた方がいいかなって」

「ありがとな。わかったよ」

それから点滴が終わるのを待って点滴を抜いて、航也と翔太は部屋に戻る。

美優は、さっきより喘鳴が落ち着いていてホッとする。

「じゃあ、おやすみ。夜中何かあったら俺の携帯に電話して?」

航也が華に言う。

「うん、わかった。おやすみ」

「じゃあな」

そんなこんなで課外授業の1日目が終了した。