〜翔太と華〜
航也と美優が出て行ってから、携美優からのメッセージを見て、さらにドキドキが止まらない…
タコパの準備どころでは無くなり、いつ切り出そう、どう伝えよう…そればかりが頭をグルグル回っている。
でも、せっかく2人が作ってくれたこの時間をムダにしてはいけないと思い、意を決して翔太に話そうとした瞬間、ネギを切ってた包丁をスベらせて、指を切ってしまった。
「痛ッ!!」
「え?どうした?指切っちゃった?」
左手の人差し指から出血してる…
「ごめんなさい、考え事してたら…」
「まず水で良く洗って見せて?」
翔太の真剣な横顔が目の前にあって、思わず痛みも忘れて見とれてしまう…
「傷はそんな深くないみたいだけど、航也が帰って来たら診てもらおう」
準備を一旦中止してソファに移動する。
航也の家のことを大体わかっている翔太は、どこからか絆創膏を持ってきて華の指に貼ってくれた。
「ありがとうございます。
翔太先生?翔太先生って…好きな人はいないの?」
華は不意に聞いてしまった…
「ん?俺?どうしたの急に?気になる?」
「いや…うん」
華は質問した途端、自信を無くしかけて、やっぱり聞かなきゃよかった…と後悔し始めていた。
「好きな人、いるよ」
「えっ?あぁ、やっぱり…そうですよね…」
(やっぱり…そうだよね、当たり前だよね…こんなに優しくて、かっこ良い先生だもん…モテないわけがないよね…好きな人くらいいるよね…)
「俺の好きな子はさ、すごく友達思いで優しくて良い子なんだよ。いつも入院中の親友のことを心配しててさ、自分のことよりも周りを大事にできる子なんだ。将来は俺みたいな先生になりたいって言ってくれててさ、俺その子が大好きなんだよね」
(そっか…入院中の親友のこと…先生になりたい…ん…え?)
ハテナがいっぱい浮かんでいる華がゆっくり顔を上げると、ニコッと微笑む翔太の顔があった。
「華ちゃん…俺じゃ駄目かな?」
「え…?」
「俺、華ちゃんと出会ってから、こんなにも友達思いの優しい子がいるんだって思って…優しくて良い子だなって。
だけど25の俺のことなんて相手にしないだろうって思って、諦めようとしたけど、やっぱり無理だった…俺、華ちゃんが好きなんだ。ごめん、急にこんなこと言われても困るよな…」
「今私のこと…好きって言った?私も…ずっと先生のことが好きでした。今日も本当は華と鳴海先生に協力してもらって、家に翔太先生呼んでもらって…いつ気持ち伝えようってずっと考えてて…グスン」
華は緊張と嬉しさと…色んな感情が混ざり合って、気付いたら涙をポロポロ流しながら、それでも自分の気持ちを必死に伝える。
すると急に翔太に抱きしめられた。
「ありがとう。そんなに思ってくれてたなんて、知らなかった。俺鈍感だから」
そう言って翔太は微笑んだ。
「私も…自分なんか相手にされないと思ってたから…嬉しい」
「フフッ、俺たち両想いだったってことだな(笑)」
「うん」
「俺と付き合ってくれる?」
「私の方こそ…お願いします」
こうして2人は晴れて付き合うことができた。
〜1時間後〜
美優と航也が帰って来た。
2人は、華と翔太がどうなったかわからず、恐る恐るリビングの扉を開ける…
「2人とも、おかえり!」
華の元気な声が聞こえる。
「ただいま…」
…ん?どうなったの?と言わんばかりに美優は華の表情をうかがう。
そして華と翔太が、無事に付き合うことになったことを知った。
「やったね、華!だから大丈夫って言ったでしょ?!」
「おっ、よかったな!」
「うん、2人ともありがとう」
翔太以外の3人で喜び合っていると、
「みんなで俺をハメたな(笑)」
翔太が口を開く。
「わりぃ。奥手のお前のことだから、こうでもしねぇとな。なぁ、美優?」
「翔太先生ごめんね。これから華のこと、よろしくお願いします」
「はい!承知しました!」
翔太ははにかみながら答える。
「よし!これでめでたく2人がカップルになれたわけだし、これから4人で仲良くしてこうな。それと、鳴海先生、翔太先生はやめない?みんな呼び捨てで良いよな」
航也の提案に賛成し、4人はお互いを呼び捨てで呼び合うことになった。
「あっ、そうそう。そういえば、華がさっき包丁で指切っちゃってさ、航也帰って来たら診てもらおうって話してたんだよ」
「は?お前、先に言えよ」
「わり、美優と華が喜び合ってたの見てたら、雰囲気に飲まれた」
「華、指見せて?深く切ったの?」
「うぅん、すぐに血止まったから大丈夫」
絆創膏を剥がし、航也が傷口を見る。
「傷は深くないな。一応、消毒して包帯巻いておこう」
そう言って慣れた手付きで丁寧に処置してくれた。
「さてと、美優と華はそこ座って待ってて。俺と翔太で準備するからさ」
そう言って航也と翔太はキッチンへ向かう。
「華、よかったね」
「うん、美優本当にありがとうね」
美優と華は2人に聞こえないように小さい声で喜びを分かち合った。
航也と美優が出て行ってから、携美優からのメッセージを見て、さらにドキドキが止まらない…
タコパの準備どころでは無くなり、いつ切り出そう、どう伝えよう…そればかりが頭をグルグル回っている。
でも、せっかく2人が作ってくれたこの時間をムダにしてはいけないと思い、意を決して翔太に話そうとした瞬間、ネギを切ってた包丁をスベらせて、指を切ってしまった。
「痛ッ!!」
「え?どうした?指切っちゃった?」
左手の人差し指から出血してる…
「ごめんなさい、考え事してたら…」
「まず水で良く洗って見せて?」
翔太の真剣な横顔が目の前にあって、思わず痛みも忘れて見とれてしまう…
「傷はそんな深くないみたいだけど、航也が帰って来たら診てもらおう」
準備を一旦中止してソファに移動する。
航也の家のことを大体わかっている翔太は、どこからか絆創膏を持ってきて華の指に貼ってくれた。
「ありがとうございます。
翔太先生?翔太先生って…好きな人はいないの?」
華は不意に聞いてしまった…
「ん?俺?どうしたの急に?気になる?」
「いや…うん」
華は質問した途端、自信を無くしかけて、やっぱり聞かなきゃよかった…と後悔し始めていた。
「好きな人、いるよ」
「えっ?あぁ、やっぱり…そうですよね…」
(やっぱり…そうだよね、当たり前だよね…こんなに優しくて、かっこ良い先生だもん…モテないわけがないよね…好きな人くらいいるよね…)
「俺の好きな子はさ、すごく友達思いで優しくて良い子なんだよ。いつも入院中の親友のことを心配しててさ、自分のことよりも周りを大事にできる子なんだ。将来は俺みたいな先生になりたいって言ってくれててさ、俺その子が大好きなんだよね」
(そっか…入院中の親友のこと…先生になりたい…ん…え?)
ハテナがいっぱい浮かんでいる華がゆっくり顔を上げると、ニコッと微笑む翔太の顔があった。
「華ちゃん…俺じゃ駄目かな?」
「え…?」
「俺、華ちゃんと出会ってから、こんなにも友達思いの優しい子がいるんだって思って…優しくて良い子だなって。
だけど25の俺のことなんて相手にしないだろうって思って、諦めようとしたけど、やっぱり無理だった…俺、華ちゃんが好きなんだ。ごめん、急にこんなこと言われても困るよな…」
「今私のこと…好きって言った?私も…ずっと先生のことが好きでした。今日も本当は華と鳴海先生に協力してもらって、家に翔太先生呼んでもらって…いつ気持ち伝えようってずっと考えてて…グスン」
華は緊張と嬉しさと…色んな感情が混ざり合って、気付いたら涙をポロポロ流しながら、それでも自分の気持ちを必死に伝える。
すると急に翔太に抱きしめられた。
「ありがとう。そんなに思ってくれてたなんて、知らなかった。俺鈍感だから」
そう言って翔太は微笑んだ。
「私も…自分なんか相手にされないと思ってたから…嬉しい」
「フフッ、俺たち両想いだったってことだな(笑)」
「うん」
「俺と付き合ってくれる?」
「私の方こそ…お願いします」
こうして2人は晴れて付き合うことができた。
〜1時間後〜
美優と航也が帰って来た。
2人は、華と翔太がどうなったかわからず、恐る恐るリビングの扉を開ける…
「2人とも、おかえり!」
華の元気な声が聞こえる。
「ただいま…」
…ん?どうなったの?と言わんばかりに美優は華の表情をうかがう。
そして華と翔太が、無事に付き合うことになったことを知った。
「やったね、華!だから大丈夫って言ったでしょ?!」
「おっ、よかったな!」
「うん、2人ともありがとう」
翔太以外の3人で喜び合っていると、
「みんなで俺をハメたな(笑)」
翔太が口を開く。
「わりぃ。奥手のお前のことだから、こうでもしねぇとな。なぁ、美優?」
「翔太先生ごめんね。これから華のこと、よろしくお願いします」
「はい!承知しました!」
翔太ははにかみながら答える。
「よし!これでめでたく2人がカップルになれたわけだし、これから4人で仲良くしてこうな。それと、鳴海先生、翔太先生はやめない?みんな呼び捨てで良いよな」
航也の提案に賛成し、4人はお互いを呼び捨てで呼び合うことになった。
「あっ、そうそう。そういえば、華がさっき包丁で指切っちゃってさ、航也帰って来たら診てもらおうって話してたんだよ」
「は?お前、先に言えよ」
「わり、美優と華が喜び合ってたの見てたら、雰囲気に飲まれた」
「華、指見せて?深く切ったの?」
「うぅん、すぐに血止まったから大丈夫」
絆創膏を剥がし、航也が傷口を見る。
「傷は深くないな。一応、消毒して包帯巻いておこう」
そう言って慣れた手付きで丁寧に処置してくれた。
「さてと、美優と華はそこ座って待ってて。俺と翔太で準備するからさ」
そう言って航也と翔太はキッチンへ向かう。
「華、よかったね」
「うん、美優本当にありがとうね」
美優と華は2人に聞こえないように小さい声で喜びを分かち合った。