航也が美優の輸血をつないで、滴下を調整していると、翔太が入ってきた。

美優はスヤスヤ寝息を立てている。

「航也、美優ちゃん落ち着いた?今日の事は本当に申し訳ない。俺が側に付いていなかったのが原因…悪かった」

翔太は航也に謝る。

「なに、改まって(笑)
お前が気にすることじゃないって。美優を中庭に連れ出してくれてありがとな。
美優に付きっきりなんて無理なんだしさ、不意の事故なんて仕方ないよ」

「いや、結果的に出血に1番注意しなきゃいけない美優ちゃんに怪我させて、輸血が必要になっちゃったわけだから。航也の負担も増やして悪かったよ」

「ハハハ、大丈夫だって。俺も美優も誰もお前のせいだなんて、これっぽっちも思ってないよ。気にするなよ!輸血も念の為的な感じだから」

「そっか、ありがとうな」

「こっちこそ、いつも美優のことありがとな。もう2時か…お前、昼飯食った?」

「いや、あの後美優ちゃんの件を上層部に報告したりしてて、まだ食ってないな」

「じゃあ、食堂で一緒に食おうぜ!腹減った(笑)」

(こういう時のコイツの気遣いがありがたい…)
翔太は思った。

それから美優の貧血も改善し、怪我も大事には至らずに、翔太は胸を撫で下ろした。