つっ立っている僕の所に、
監督が、歩いてきて、


「きみは学生だろ?

 授業一日終えたらナニをする?

 友達との遊びか?
 それとも
 習いごとか?

 なんだったら
 たとえ出番がなくても
 毎日でもココに来ても
 イインだぜ?


 さあー!どうする
 きみは、自由だ。」

と、

しゃがんで、言った。
そして、


「もし通うんだったら、
 自分用に
 自分に合った椅子を、
 探してきなさい。
 大人用のはきみにはまだ少し、

 合ってない、
 気がするー。」


 そう言って立ち上がり
手をひらひらさせながら、
行ってしまった。



 確かにそれまで僕は、
必死に沈みそうになりながら、
大人用の椅子に、

しがみついていたようなもの。

だったので。


 早速それを母に伝え、二人で、
僕にぴったりの椅子を
みつけに行った。