『ざぁ―…』
今日も雨が降る。
私は雨が好き
雨の音が大好きだから
私は歌が好き
歌声は魅力的だから

『ah―…um―…』
きれいな音…
雨のきれいな音と
共鳴している。

あなたは誰なの?
雨の日にはいつもここで歌うのは
どうしてなの?
ひそかに毎日あの人の
歌声を聴いていた私…
一度でいいから話してみたかった

私は勇気を出して聞く事にした
『あなたは誰なの?』
すると彼は何も言わず
立ち去って行った…

もうあの歌声が聴けないのかな?
少し不安になった…
だから私は思わず
『神様、私にもう一度
チャンスをください』
そう祈ってみた

私はあの人を
雨の人と呼んでいた。
雨の人は
背が高くて
いつもレインコートを着ている
レインコートの帽子はいつも
深めに被っていて顔がみえない
雨の人はいつもギターだけを
肩手にここへやって来ては
歌って去っていく
そんな人だった。
男性のわりには高く美しい声
それが彼の魅力。