彼女が職員室まで課題を提出するまでいて、一緒に帰った

まなちゃんの家で別れて、私の家とは反対方向へ歩く

遠回りで帰るのも悪くないよね

まぁ夜だからかどこもかしこも薄暗いけど

家屋、コンビニ、街灯の明かりが周りを照らしてくれるから大丈夫

歩けるから気の向くまま進むだけ

今日はここを左に曲がってみようかな

いつもは右に曲がるけど、なんだか左の気分

左折してしばらく歩く

まっすぐ道が続いているだけみたい

明かりが少なくなってきた

街灯だけが等間隔に並んでいる

この街に人気のない場所が存在していたとは…

「あれ?」

あそこの街灯の下、誰かいる?

近づくにつれてはっきりとわかる

やっぱりあれは人

「大丈夫ですか?!」

慌てて駆け寄って声をかける

救急法で習ったことを思い出す

呼びかけながらスマホで119をかける

「119番です、火事ですか?救急ですか?」

「救急をお願いします。路上で人が倒れていて、意識がないのか呼びかけても反応がなくて…」

「住所を教えてください」

住所…初めて寄った場所だし住所なんてわからない