保健室に入ると、時田先生は廊下に誰もいないかを確認だけして、ドアを閉めた。

 きっと、誰かに聞かれちゃまずい話なんだ。
 そんなの、どう考えても……大和くんたちのことしかないよ。

「なんの話をされるか、なんとなく分かってそうな顔ね?」
「いえ。……分からないです」
「うそつかなくていいのよ。顔に書いてあるもの。『大和くんのことですか?』ってね」
「……!」

 私ってそんなに顔に出やすいかな?

 みんなにも、からかわれやすいんだよね。

 でも、この先生にはうそは通用しなさそうだ。
 私は覚悟を決めて、返事をした。