「昨日の放課後、部活に行く前に、ちょうど教室のとこで大和くんと会ったから話してたの。少しだけ」
「うん」
「それを誰かに見られちゃったみたいで……。今朝、教室に来たら、私と大和くんの名前が大きく黒板に書かれてて、ふたりの名前の間にハートマークとか書かれてて」
「うん」

 陸斗くんは、ゆっくり頷きながら話を聞いてくれた。

 私を落ち着かせようとしてくれているのだろう。

「私と大和くんが話してた内容とかも書かれてたの。なんてことない会話だったんだけどね。それを見たクラスの子が、私と大和くんが話してたのが気に食わなかったみたいで、色々言い始めちゃって。でもさっき、大和くんが来て、何で自分と私が話しちゃいけないんだって言ってくれて……」

 説明しているうちに、私も何がなんだか分からなくなってきた。

 ただ、大和くんに迷惑かけちゃってることが一番……嫌だったんだ。