数日後の放課後。

 私は大和くんに呼び出されていた。
 先日のあの教室に。

 ごくりとつばを飲み、大和くんが何を言い出すのかと待ち構えていると──。

「アイツと話したんだってな?」
「アイツって誰?」
「陸斗だよ、陸斗。ったく、どうせ余計なことを言ったんだろうけど」

 いつもみたいに機嫌悪そうな顔をしながら話す大和くん。

 なんかもったいないなぁ。
 普通にしていれば、陸斗くんみたいにかっこいいのに。

 ……ん?

 かっこいい?

 大和くんが?

 陸斗くんならまだしも、大和くんをかっこいいなんて、今までこれっぽっちも思ったことなかったのに!

 私、どうかしちゃったのかなぁ。
 顔を左右にブンブンと振り、自分の中で否定した。

 大和くんはその様子を不思議そうな表情で見ている。