その日の晩、アルフレッドがやって来たのでベアトリスはすぐに指輪を突き返した。
「殿下、どうしてこんなもの贈ってきてるんですか!」
「どうしてとは?」
アルフレッドは不思議そうな顔をして、ベアトリスを見返す。
「これ、普段は宝物殿に置かれている超貴重な魔道具だったカイルさんから聞きましたよ? なんでそんなものを!」
「そんなの、愛しい妃に危険が迫らないか心配だからに決まっているだろう」
アルフレッドは当然のことのように言い放つ。
「だってこれ、国宝級の品物らしいじゃないですか!」
「ああ、そうだな」
アルフレッドは頷く。
「そうだな、じゃないでしょ!」
ベアトリスは頭痛がしてくるのを感じた。
「王宮の宝物殿にあるものは王族のものだ。俺が好きなように使っても何ら問題はない」
「それはそうですが……」
アルフレッドの正論に、ベアトリスは言葉を詰まらせる。だがしかし、国宝級のお宝をまるで日常使いの指輪のように渡すのはいかがなものかと思う。



