(あの慌てよう……この人、本当にアルフレッド殿下なの!?)
なぜ? どうして自分がアルフレッド殿下の興味を惹いてしまったのだろうか。
興味を惹くような行動を取った覚えはない。そもそも、一度も会ったことがないのだから。
「アルフレッド殿下?」
「アルと呼んでくれ」
一方、男改めアルフレッド殿下は驚きすぎて硬直するベアトリスを見つめ、蕩けるように優しく微笑む。
「さあ、今度こそ行こうか」
(……う、嘘でしょう?)
ベアトリスは助けを求めて周囲を見回す。けれど、誰ひとりとして助けてくれる人はいなかった。
(確かに誰かいい男性との素敵な出会いがあったらいいなと思ってここに来たけど!)
泣きたい。王太子殿下に拾われるなんて想定外だ。
ベアトリスはわけのわからないまま、アルフレッド殿下に連れ出されたのだった。



