そこにいたのは、一目で高位貴族とわかるような凜としたオーラを放った美しい青年だった。
(……本当に誰なの⁉)
はっきり言おう。ベアトリスは知らない人だった。
金糸のような艶やかな金髪を靡かせたその姿は、王宮内に飾られた神々の肖像を思わせるほどに整っている。猛禽類を思わせるような鋭い目元と高い鼻梁、顎のラインは男性的な凜々しさを感じさせた。袖や襟に金糸で刺繍が施された上質なフロックコートを着ていて、まっすぐブルーノ達を見据える瞳は紫色だ。
「あなた、誰!?」
ベアトリスは思わず声を上げる。すると、男は視線をこちらに向け、一転して蕩けるような甘い笑みを浮かべる。
「酷いな。俺はお前に会いたくて、ここまで来たのに」
「わたくしに会いたくて?」
ベアトリスはこれまで会った貴族の顔を高速で思い浮かべる。
こんなに奇麗な人、一度会ったら絶対に忘れないはずだ。けれど、全く思い出せない。
だが、ここにいるベアトリス以外の人はこの人が誰なのか知っているようだった。
「どうしてあなた様が……」
ブルーノが震える声でつぶやくのが聞こえた。
(……本当に誰なの⁉)
はっきり言おう。ベアトリスは知らない人だった。
金糸のような艶やかな金髪を靡かせたその姿は、王宮内に飾られた神々の肖像を思わせるほどに整っている。猛禽類を思わせるような鋭い目元と高い鼻梁、顎のラインは男性的な凜々しさを感じさせた。袖や襟に金糸で刺繍が施された上質なフロックコートを着ていて、まっすぐブルーノ達を見据える瞳は紫色だ。
「あなた、誰!?」
ベアトリスは思わず声を上げる。すると、男は視線をこちらに向け、一転して蕩けるような甘い笑みを浮かべる。
「酷いな。俺はお前に会いたくて、ここまで来たのに」
「わたくしに会いたくて?」
ベアトリスはこれまで会った貴族の顔を高速で思い浮かべる。
こんなに奇麗な人、一度会ったら絶対に忘れないはずだ。けれど、全く思い出せない。
だが、ここにいるベアトリス以外の人はこの人が誰なのか知っているようだった。
「どうしてあなた様が……」
ブルーノが震える声でつぶやくのが聞こえた。



