そうして到着したバトラー公爵家。
ベアトリスは初めて参加する公爵家主宰の舞踏会に、ただただ圧倒されていた。
シャンデリアの光で輝く空間。煌びやかに着飾った男女。そして、お酒と香水の香り──。
ここにいるだけでお酒を飲んでいないのに酔ってしまいそうだ。
(まずは、マーガレットを探したほうがいいかしら?)
この舞踏会に招待してくれたマーガレットはここバトラー公爵家の嫡男であるサミュエルの婚約者だ。きっと主催者の近くにいるはずと思い、ベアトリスは会場の中心へと近づく。
そのとき、「あらっ?」という聞き覚えのある声がした。反射的にそちらを振り返ったベアトリスは、この場に来たことを早くも後悔した。
「やっぱり! ベアティじゃない?」
きらめく金髪に、海のような青い瞳。そして、瞳と同じ青いドレスを身にまとったその女性は、ついこの間ベアトリスを悪者にして婚約者を略奪した元友人──ローラだったのだから。
そして、その隣には会いたくないもうひとりの人がいた。
「本当だ。ベアトリス、なんでここにきみが?」
忘れもしない、元婚約者のブルーノだ。
「えっと……」
ベアトリスは言葉に詰まる。未来の夫を探すべく婚活しに来たのだが、この人達には言いたくない。



