俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


「ん? 書いてあるって?」

 マーガレットは不思議そうに目を瞬かせる。

「あ、この文字は珍しいけどヒフェル語っていう言語のひとつなの。遠い島国で使われていた、昔の言葉。今どきこんな文字を使う方いるのね」
「ヒフェル語?」

 マーガレットはもう一度ベアトリスの差し出した封筒を見て、目を瞬かせる。そして、僅かに眉根を寄せた。

「…………」

 マーガレットはしばらく無言でその封筒を眺め「もしかして……」と呟く。

「マーガレット? どうかしたの?」

 マーガレットのその様子を、ベアトリスは不思議に思った。

「錦鷹団って言ったわよね」
「ええ、そう書いてあるわね」
「……ベアティ。これ、自分で届けてもらったほうがいいわ」
「あ、そうよね。なんでもかんでも頼んでしまってごめんなさい」

 ベアトリスはハッとして謝罪する。いくら仲のよい友人だからと言って、婚約者を使って物を届けさせるなど礼を失する行為だったと反省する。