絶句するベアトリスを見て、アルフレッドはいつものような意地の悪い顔をする。そして、前をスタスタと歩いて行ってしまった。
ベアトリスはその後ろ姿を見つめた。
(もしかして、わたくしを元気づけようとして気遣ってくれた?)
ベアトリスはアルフレッドにとって、あくまでもお飾りの側妃だ。
けれどこの瞬間、彼がベアトリスのために時間を取って気遣ってくれた優しさは、本物だと感じた。
◇ ◇ ◇
ベッドに仰向けに寝転んだベアトリスは、天蓋を見つめる。
「はあー。わたくし、なんだか最近変だわ」
ここ最近、錦鷹団の仕事をしている最中もジャンに声をかけられるだけで胸が跳ねる。アルフレッドが部屋を訪ねてくれば心が躍る。
そしてそれは、日を置けば落ち着くどころか、日増しにひどくなっている。
(どうしよう……)
この気持ちを隠し通すのは難しい。



