俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


「何だ、お前。俺が誰だと思っているだ!」

 驚いた男が叫んだ。

「悪いが知らんな」
「俺は王都騎士団の団員にも知り合いがいる。こんなことをしてただで済むと──」
「ほう。王都騎士団の団員にね。こんな間抜けと親交があるのは誰なのか、あとでしっかりと確認しておこう」

 ジャンは冷たい視線を男に向けたまま、口元にだけ笑みを浮かべた。その全く笑っていない目に、男は怖じ気づいたように言葉を呑み込む。

「連れて行け」
「待ってくれ」
「行け」

 ジャンの命令で、男がサミュエルによって連行された。