俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


「嘘。開かない……」

 真っ青になるベアトリスの背後で、カサッと衣擦れの音がした。

「誰だ」

 部屋の奥から低い声が響く。

(誰がいる?)

 王宮内で男と密室にふたりきり。

(これは非常にまずい状況なのでは?)

 顔面蒼白のベアトリスの背後で、椅子に座っていた男が立ち上がる気配がした。


   ◇ ◇ ◇


 その日の晩、ベアトリスの元にアルフレッドが尋ねてきた。
 ベアトリスはハッとして立ち上がる。

「殿下!」

 アルフレッドは自分の元に駆け寄って来たベアトリスの顔を見て、小首を傾げる。