お茶会は、宮殿内にある王妃のサロンで行われた。
「ご機嫌よう。シセル妃殿下」
ベアトリスは丁寧に腰を折り、お辞儀をする。
「あら、いらっしゃい。ベアトリス様。さあさあ、座ってね」
シセルはベアトリスがやって来たのを見るやいなや立ち上がり、にこにこしながら席を勧める。テーブルの上には、色とりどりのスイーツがたくさん並べられていた。
「今日が楽しみで、色々と取り寄せたの。取り寄せ過ぎちゃったから、好きな物をたくさん食べてね」
ベアトリスの視線に気付いたシセルははにかむように笑う。
「アルフレッドから、ベアトリス様は翻訳がご趣味だと聞いたわ。一体どんな本を?」
「色々と翻訳するのですが、ファンタジーの物語が多いです。わたくしが好きなので」
「ファンタジー! いいわね。久しぶりに読んでみようかしら。今度、お勧めを教えていただいても?」
「もちろんです」
シセルが次々に質問してくるので、ベアトリスは圧倒されながらも答える。
けれど、その様子からはベアトリスを歓迎していることが窺えた。
(あの息子の母とは思えない気さくさ!)



