「はっ。もしかして、嫌がらせ?」
ベアトリスはハッとして独り言ちる。
あの男ならやりかねない。時々、すごく意地悪になるから。
でも、何が原因だろうか。
「この前渡した資料の出来がイマイチだったからかしら?」
ぶつぶつと呟いていると、サミュエルが「そんなに難しく考えなくていいんじゃないかな」と肩を竦める。
「王妃様は息子であるアルフレッド殿下の側妃と仲良くしたいだけだと思うよ。楽しんで来なよ」
「楽しんで?」
緊張しすぎて楽しめるとは到底思えない。
「うん。だって、もう行くって返事をしてあるし」
そこが大問題である。なぜ参加する本人であるベアトリスの了承なしに、勝手に参加表明の返事をしてしまうのか。
じろっと睨むと、サミュエルに苦笑される。
この人の主がアルフレッドであるということを、完全に失念していた。



