「これは何?」
ローラは聞き返す。
「特別な魔道具だ。お前の願いを叶える手助けをする、な」
「魔道具?」
ベアトリスはそれをまじまじとみる。
魔道具は存在は知られども、見たことがある人はほぼいない。
そんな貴重な品を突然渡してくるなど、通常であればあり得ない。
そんな考えは、男に筒抜けだったようだ。
「信じるか信じないかはお前次第だ。だが、このままだとお前は負け犬だな」
「誰が負け犬よっ!」
ローラはカッとして叫ぶ。
「なら、手段は選ばないことだ」
男が小さく笑う気配がした。
「わたくしの願いを叶える手助け……」
ローラは目を眇めて、目の前の男をまじまじと見つめる。
(この男、何者なの?)
王宮舞踏会では見たこともない男だ。どこかの貴族の手下だろうか。



