身分こそベアトリスのほうが上だったけれど、垢抜けていて人気者なのはいつもローラのほう。
だから、ベアトリスの存在はローラにとって、自分は一角の人間であると信じるための安心材料のようなものだった。
それなのに──。
「なんであの子が、アルフレッド殿下に寵愛されて周囲からもちやほやされているのよ」
面白くない。こんなこと、許せない。
数年前、ベアトリスの元婚約者であるブルーノと初めて出会ったとき、ローラはベアトリスに嫉妬心を覚えた。
ブルーノの整った見目に、次期侯爵という身分。
誰もが憧れるその人の婚約者がベアトリスだという事実に、自分が負けたような気がした。
ベアトリスはいつだって、ローラの引き立て役なのだ。
ベアトリスが自分より上の立場に立つなんて、我慢ならない。
だから、奪ってやろうと決意した。
いかにも自然を装って声をかけ、悩みがあると言ってブルーノの懐に入り込んだ。そして、ベアトリスに対してはこれまでと変わらず友人としての仮面を被り続けた。
その甲斐あってようやくブルーノをベアトリスから奪略することに成功したというのに──。
(絶対に許さない)
引き立て役のベアトリスが自分より目立って、周りからちやほやされるなんて絶対に容認できない。
「ローラ。どうした?」



