(ずっと大切な友人だと思っていた? その言葉、そのまま返したいわ)
ベアトリスはローラを一瞥する。
きっと、プレゼントしてくれたときからそのつもりだったのだろう。
少なくとも、ベアトリスはローラを大切な友人だと思っていた。でも、ローラにとっては違ったのだと知り、少なからずショックを受けた。
ベアトリスはぎゅっと手を握る。この悔しさをなんとか身の内に留めると、ブルーノをまっすぐに見つめる。
「ブルーノ様、まずは外に行きましょう。話はそこで聞きます」
ベアトリスは先ほどと同じ言葉を繰り返す。
先ほどまではこの一画にいたごく限られた招待客しかこちらを注目していなかったが、既に会場の多くの人々がこの騒ぎに気付き始めていた。
一刻も早く、この場を去るべきだ。
それはブルーノもわかっていると思ったのに、返ってきたのは真逆の言葉だった。
「この期に及んでまだ俺に縋るのか。見苦しいぞ」
ブルーノは心底がっかりしたと言いたげに、ベアトリスを見下ろす。
(そうじゃなくって! 目立ちすぎているのよっ!)
ベアトリスは怒鳴りたい気持ちをぐっと抑える。これだけ『外に行こう』と提案しているのにその意図に気が付かないなんて。



