俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


(うっ。こんな嬉々として説明されると、なんだか居心地が悪いわ)

 サミュエルはベアトリスがアルフレッドのお飾り側妃だと知っている。寵愛などされていないし正妃になることもないので、純粋に友人の良縁を喜んでくれているマーガレットに後ろめたさを感じた。

「きっと、すぐに正妃になるわ。ね、サミュエル様」
「うん、そうだね」サミュエルはにこりと微笑み、マーガレットに相づちを打つ。

「ランス様もそう思うでしょう?」

 マーガレットはにこにこしながら、ランスにも同意を求める。

「え? ……そうですね」
 ベアトリスが契約妃であることを知っているだけに、ランスは一瞬言葉を詰まらせたがすぐに口元に微笑みを浮かべて頷く。

(い、いたたまれない)

 ふたりから全く否定されず、むしろ居心地の悪さを感じる。四人で話していると、「ベアトリス妃殿下」と背後から声をかけられた。

「はい?」

 振り返ると、初老の男性が立っていた。ベアトリスは見覚えのない人だ。

「私は、ベントン伯爵家のジャンニ=ベントンです」

 名乗った男性はにこやかな笑みを浮かべ、頭を下げる。

「ご機嫌よう、ベントン卿」

 ベアトリスもお辞儀を返す。