俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?


「周囲に人がたくさんいる中、あんな……」

 侍女達の衆人環視の中で唇ぎりぎりの場所にキスをされたことを思い出し、ベアトリスの頬がまた紅潮する。

「周囲には、〝仲睦まじい新婚夫婦〟と思わせておいたほうが何かと都合がいい。なにせ、夜だけでなく昼もずっと横に侍らせているのだからな」
「確かにそうですが──」

 ベアトリスは口ごもる。

「安心しろ。お前が綺麗だというのは、本当だ」

「はあ、そうでございますか」

 死んだような目をするベアトリスを見て、アルフレッドはくくっと肩を揺らした。

「さあ、行くぞ」
「はい」

 アルフレッドにエスコートされ、ベアトリスはゆっくりと歩き始める。
 会場に入ると、歓談していた貴族達が一斉にこちらに注目した。

「ごきげんよう、アルフレッド殿下」
「ごきげんよう、ベアトリス妃殿下」