「わたし、あなたのこと知っているわ。王太子でんかの大好きな人ね?」
「へ?」
「お母様が言っていたもの。王太子でんかはコーベットはくしゃくれいじょうに夢中なんだって」
「まあ、ほほほ……」
乾いた笑いが漏れる。王都から遠く離れた地域でもそんな噂が流れているなんて。
(仮初め! 仮初めよ?)
ベアトリスは内心で弁解しながら、体と屈めてルイーズと目線を合わせる。
「王宮は楽しんでいる?」
「うん」
ルイーズはにこっとはにかんで笑う。
(可愛い!)
ベアトリスに妹はいないが、もしいたらこんな感じだったのだろうか?
とにかく可愛くて、頬が緩む。
「じゃあ、このあともゆっくり楽しんでね」
「うん!」



