しょんぼりしながら廊下をとぼとぼと歩いていると、どこからか「ベアティ!」と声がした。ベアトリスははっとして顔を上げる。遠目に見えたのは、笑顔で大きく片手を振る若い女性だ。
「まあ、マーガレット!」
そこには、久しぶりに会う親友、マーガレットの姿があった。
「やっぱりベアティだわ。久しぶり! すごい偶然ね」
マーガレットは満面の笑みを浮かべ、こちらに早足で寄って来た。
「本当ね。会いたかったわ! お茶会、なかなか開催できずにごめんなさい。ところで、今日はどうしてここに?」
「領地から従妹が来たから、王宮を案内しているの」
マーガレットのスカートの陰から、ひょこんと小さな陰が顔を出す。おずおずとこちらを見上げているのは、まだ小さな女の子だった。
「ほら、ルイーズ。ご挨拶して」
マーガレットが小さな女の子に挨拶を促す。
「はじめまして。わたしはルイーズ=ドルーです。ななさいです」
「こんにちは。わたくしはベアトリス=コーベットよ」
ベアトリスはにこりと微笑んでお辞儀を返す。ルイーズはじーっとベアトリスを見上げる。



