「わたくしたちは味方です。あなた達を助けに来ました」
ベアトリスは怖がらせないように、なるべく穏やかな口調で語りかける。しかし、彼女たちは怯えたように身を寄せ合ってこちらを見つめる。
(困ったわね)
無理矢理連れ出しては恐怖心を煽るだけだろう。どうすれば……と思ったとき、ふと事前に保護した女性たちは南方の隣国──シュタルツ国の出身だったことを思い出す。
(そうだわ!)
『わたくしたちは王都騎士団の者です。あなたたちを助けに来ました。もう大丈夫よ』
きっと同じ国の出身ではないかと睨んで、ベアトリスは今度はシュタルツ語で話しかけた。すると、少女たちはハッとしたような顔をした。
(やっぱり! 言葉がわからなかったのね)
ベアトリスの予想は見事に的中したようだ。
少女たちは互いに顔を見合わせてから、ベアトリスに縋り付く。
『私、おうちに帰れるの?』
少女がベアトリスに話しかける。
『ええ。帰れるように、私達がお家を探してあげるわ』



