推し作家様、連載中につき。

 水谷くんでも、羽花ちゃんでもなかった。


「じゃあ結局、この学校に先生はいないんだ……大チャンスだと思ったのに」


 期待したぶん、落ち込んじゃうよ。

 でもでも、まだ分からないよね。



 あれだけの文章力があるんだもん、子供じゃなくて大人の可能性だってあるんだから。

 たとえばほら、汐●先生は国語の先生をしながら小説を書いていたわけで。



 そうだ、明日は国語の先生にちょっとだけ探りを入れてみよう。



「朝乃、一緒に帰るか」

「え、部活は?」

「行こうと思ってたけど、予定変更。サボることにしました」



 いいの?という言葉は、向けられた人全員気絶するんじゃないかレベルの彼の微笑みによって消されてしまった。



「どこ行く?」

「えー、どこ行こう」



 たいして意味のないこの会話も、なんか青春っぽくていいぞ。


 シチュエーション的には完璧なんだが……!


 名高先生、もし今この近くにいて私たちを見ているのであれば、ぜひとも新作のネタにどうぞ…!



「……とか思ってる?」

「だから、エスパーですかあなたは。ぴったり当ててくるのほんとによくないです、やめてください」