『わたしも、少し。 がんばりすぎて、 しまった、ようです。 ひとつだけ、 貴女を抱かなかった事が。 心残りです。 抱けば良かった。 心が残ってしまいました、 やっぱり 愛して、しまった いやはや』 「愛する貴女へ」と、書かれた その 通帳に挟まれた小さな紙片を、 みて 初めて。 忍は、 先生が亡くなって 声をあげて、泣いた。 今度は、 自分の膝でなく。 人の 僕ちゃんの膝でつっ伏して泣いた。 「共に僕とですよ。」 忍の背中を。 僕ちゃんは、ポンポンと、 優しく、うった。