友人も数人は出来た。

3年生のある日、いつもつるんでいる友人が興奮気味に言った。

「……なぁ、知ってるか?この学年に超美少女がいるんだけど、その子の気を引く為に本人をイジメてる奴らがいるらしいぞ!」

「はっ……⁈」

「それって逆効果なんじゃないのか?……それに、その超美少女って絶対川澄すみれちゃんだろ」


俺も、同意見だった。

別にその女に興味はないし、名前も知らなかったが。

「そうそう、そのすみれちゃん。で、そのやり方がひでぇんだよ」

「どんなふうに?」


思わず聞き返した。

そんな俺を見て、他の奴らは目を見開いた。

まずい、何か誤解された気がする。


「言っとくけど、その女に興味はないからな。ただどんなイジメをしているのか気になっただけだから」


慌ててそう言ったら、周りはホッとしたようだった。

俺は女の話題には、ほとんど口を挟まないから、驚かれるのも無理はない。