「…………誰にも言いませんか?」

「あぁ」

悩んだ末、即答してくれた海崎さんに私は全てを話すことにした……。

「……実は、中学生の時に男の子たちから嫌がらせをされたんです。それが日に日にエスカレートしていって……それで男の子が怖くなったんです。その話を両親にしたら、メガネと三つ編みをしたら良いと言われて……それでこの格好に……」

「そうだったのか……」


ずっと黙ったまま聞いていた海崎さんは、眉間にしわをよせている。

そうだよね。いきなりこんな重たい話なんだから……。


「ごめんなさい。忘れてください」


慌ててそう言った。

やっぱり、話すべきじゃなかったかな……。


「いや、無理に聞いた俺も悪いから」


驚いて顔をあげると、海崎さんは気まずそうにしていた。


しばらくの間、沈黙が流れていた。


私は俯いたまま、さっき落としてしまったプリントを集めた。