その日の放課後


ホームルームを終えて帰ろうとすると、先生に止められた。


「海崎さんと川澄さんの2人は、ちょっと残ってください」


なんだろう?委員会のことかな?


「すみれちゃん、私は終わるまで待ってるよ」


凛ちゃんはそう言ってくれたけど、私は言った。


「ありがとう。でも、いつ終わるか分からないから先に帰ってくれてて良いよ。また今度一緒に帰ろう」

「分かった。頑張ってね。バイバイ」


手を振って教室を出て行った凛ちゃんを見て、私よりも自分のことを心配したほうが良いと思った。

凛ちゃんはクラスの男の子たちに人気だから。

私と話をしている時も、凛ちゃんが可愛いという話をしている男の子たちの会話がよく聞こえていた。

絶対男の子に声をかけられるよね。

……って、こんなこと考えてる場合じゃない。

早く先生のところへ行かなくちゃ!


先生の所に行くと、海崎さんもいた。


「すみません、遅くなりました」

「大丈夫よ」