「それじゃあ、また明日、花子さん」

「また明日」


バスから降りて、数分歩いた場所に天宮高校はある。

まだ入学して少しだから、新入生はソワソワしている気がする。


「おっはよう。すみれちゃん!」

「お、おはよう凛ちゃん」


後ろから声をかけられたと思ったら、凛ちゃんだった。


「一緒に行こう!」

「うん!」


入学式の日以来、私は凛ちゃんと一緒にいる事がほとんどだった。

凛ちゃんと会話をしながら歩いていると、声が
聞こえてきた。


「見ろよ。平さんだぜ」

「可愛いなぁ〜」

「あぁ……それに比べて、平さんの隣にいる奴は、地味過ぎじゃねえか?」


ギクッ……。


「どう見ても友達として釣り合ってないだろ。自分の見た目自覚してんのか?」