「そう。私も毎日この時間に乗って隣町まで、行っているのよ。だから、これから話し相手になってくれないかしら?あなたと話していると心が穏やかになって……、一人だと寂しくてねぇ。」


急な事に驚いて目を見開いた。

でも、私もおばあちゃんと話せるなら嬉しい。


「はい。是非!」


私が笑顔で答えるとおばあちゃんも笑顔になった。


「天宮〜天宮〜」

いつの間にかバスが止まっていて、たくさんの人が降りていた。


「おばあちゃん、それでは。また明日!」

「また明日」


笑顔で挨拶すると、おばあちゃんも応えてくれた。

私は急いでバスから降りると、ドアが閉まって出発したバスを見えなくなるまで見送った。

優しいおばあちゃんだったなぁ。

少しの時間だったけど、話せてよかった。

でも明日からは、毎日話せる!

そう思うだけで、学校に向かう足取りが軽くなった。