「……ということがあって、それと、この高校は私の中学校では、今のところ誰も受験する予定がないって先生も言ってたから……」

そう、誰もいないというのも決め手だった。

もちろん、天宮高校で学びたいという気持ちはしっかりある。

話し終えて一息つく。


「……分かった。父さんは、応援するぞ。
だがな……」


座っていたイスから立ち上がって、私に歩み寄ってきたお父さんは、いきなり私を抱きしめた……。


「お、お父さん……?」


驚いている私を抱きしめながら、お父さんは言った。


「もっとはやくに相談して欲しかったぞ。
悩んでいるなんて知らなかった……」

「そうよ。私たちは家族なんだから……」