——彼と連絡が途絶えたのは、夏休みに入ってすぐのことだった。
部活を引退している彼は受験の夏期講習に、私はマネージャー業にと忙しくなるけれど、時間を作ってなるべく会おうと約束していた。
交際は順調のはずだった。
…けれど、そう思っていたのは私だけだった。
「ねえ、まだ高瀬先輩と連絡取れないの?」
部活後の片付けをしながら、同じくマネージャーをしている愛花が問う。
「うん…スマホの電源が切れてるみたいで、電話しても出ないの」
「もう4日目でしょ?家に行ってみたほうがよくない?だって今日って…」
「うん、帰りに家を訪ねてみるよ」
心配げに言い淀んだ愛花にそう返しながらバッグからスマホを取り出すと、メッセージの着信通知が目に飛び込んできた。
『校門の前で待ってる』
「…愛花!ごめん、あとお願い!」
言うが早いかグラウンドから駆け出した。
部活を引退している彼は受験の夏期講習に、私はマネージャー業にと忙しくなるけれど、時間を作ってなるべく会おうと約束していた。
交際は順調のはずだった。
…けれど、そう思っていたのは私だけだった。
「ねえ、まだ高瀬先輩と連絡取れないの?」
部活後の片付けをしながら、同じくマネージャーをしている愛花が問う。
「うん…スマホの電源が切れてるみたいで、電話しても出ないの」
「もう4日目でしょ?家に行ってみたほうがよくない?だって今日って…」
「うん、帰りに家を訪ねてみるよ」
心配げに言い淀んだ愛花にそう返しながらバッグからスマホを取り出すと、メッセージの着信通知が目に飛び込んできた。
『校門の前で待ってる』
「…愛花!ごめん、あとお願い!」
言うが早いかグラウンドから駆け出した。



