日曜日、予定通り一緒にパーティー用のドレスを買いに出かけることになった。
マンションの地下駐車場へ降り、青いSUV車の助手席に乗り込むと、運転席に乗り込んだ颯太は手慣れたようにエンジンをかけて発車する。
横目でチラッと盗み見る。
車を運転している颯太を見るのは初めてだ。
大人になったんだから運転できるのはおかしなことではないけれど、どうも落ち着かない。
空気を察したようで、颯太の横顔がふっと笑みを作る。
「心配しなくても、事故を起こしたりはしないよ。日本に来てからの運転歴は浅いが、会社まで自分の車で通勤することが多いから」
「うん…なんだか慣れなくて」
「新卒の時は店舗勤務だっただろ。どこだった?」
「愛媛に2年」
「四国か。慣れない場所で大変だったな」
「ううん、のんびりした田舎の店舗で楽しかった。私、都会は向いてないみたいだし、次の異動のアンケートは地方で希望を出そうと思ってるの。父が亡くなって母がひとりになっちゃったから、できれば地元に戻れるといいんだけど」
「そうか。27歳なら、今の部署は3年目だよな。来春には異動になるだろう。なるべく実家の近くになるように働きかけてやるよ」
「本当?ありがとう」
地方から本社へ異動したがる社員はたくさんいるのだから、希望を出せば地方への異動は十中八九叶うだろう。
ただ、地方と言っても東北、関東、中部などアバウトな希望しか出せないから、どこに配属になるかは運でしかない。
颯太が働きかけてくれるのならそれはありがたいことだ。
マンションの地下駐車場へ降り、青いSUV車の助手席に乗り込むと、運転席に乗り込んだ颯太は手慣れたようにエンジンをかけて発車する。
横目でチラッと盗み見る。
車を運転している颯太を見るのは初めてだ。
大人になったんだから運転できるのはおかしなことではないけれど、どうも落ち着かない。
空気を察したようで、颯太の横顔がふっと笑みを作る。
「心配しなくても、事故を起こしたりはしないよ。日本に来てからの運転歴は浅いが、会社まで自分の車で通勤することが多いから」
「うん…なんだか慣れなくて」
「新卒の時は店舗勤務だっただろ。どこだった?」
「愛媛に2年」
「四国か。慣れない場所で大変だったな」
「ううん、のんびりした田舎の店舗で楽しかった。私、都会は向いてないみたいだし、次の異動のアンケートは地方で希望を出そうと思ってるの。父が亡くなって母がひとりになっちゃったから、できれば地元に戻れるといいんだけど」
「そうか。27歳なら、今の部署は3年目だよな。来春には異動になるだろう。なるべく実家の近くになるように働きかけてやるよ」
「本当?ありがとう」
地方から本社へ異動したがる社員はたくさんいるのだから、希望を出せば地方への異動は十中八九叶うだろう。
ただ、地方と言っても東北、関東、中部などアバウトな希望しか出せないから、どこに配属になるかは運でしかない。
颯太が働きかけてくれるのならそれはありがたいことだ。



