駅までの10分ほどの道のり、彼はサッカー部にまつわるエピソードをたくさん話してくれた。
おかげでサッカーに関する豆知識が増え、部員たちの意外な一面も知ることができた。
改札をくぐると、電車はそれぞれ上りと下りで反対方向だ。
「じゃあ、また明日部活で」
「はい、お疲れ様です」
反対側のホームへ向かうために背を向けたとき。
「有沢」
呼び止められて振り返ると、彼は穏やかに微笑んだ。
「あんまり肩肘張るなよ。有沢がじゅうぶん頑張ってるの、みんな知ってるから」
一瞬呼吸を忘れ、息を吐くと同時に目頭が熱くなった。
「…はい。ありがとうございます。お疲れ様でした」
「お疲れ様」
小さく会釈をし、滲みかけた涙に気づかれないようにすぐにまた背を向けて歩き出した。
彼の言う通り、私は肩肘張りすぎていたのかもしれない。
早くルールを覚えなきゃとか、もっとマネージャーとして貢献しなきゃとか、自分で自分にプレッシャーをかけていたのだと思う。
彼の言葉は、そんな私の気持ちを軽くしてくれた。
心の中に芽生えたこの温かくくすぐったい気持ちはきっと『憧れ』というものなんだろう。
そうでなければならない。それ以上の思いにしてはいけない。
だって彼は、私には到底手の届かない人だから。
おかげでサッカーに関する豆知識が増え、部員たちの意外な一面も知ることができた。
改札をくぐると、電車はそれぞれ上りと下りで反対方向だ。
「じゃあ、また明日部活で」
「はい、お疲れ様です」
反対側のホームへ向かうために背を向けたとき。
「有沢」
呼び止められて振り返ると、彼は穏やかに微笑んだ。
「あんまり肩肘張るなよ。有沢がじゅうぶん頑張ってるの、みんな知ってるから」
一瞬呼吸を忘れ、息を吐くと同時に目頭が熱くなった。
「…はい。ありがとうございます。お疲れ様でした」
「お疲れ様」
小さく会釈をし、滲みかけた涙に気づかれないようにすぐにまた背を向けて歩き出した。
彼の言う通り、私は肩肘張りすぎていたのかもしれない。
早くルールを覚えなきゃとか、もっとマネージャーとして貢献しなきゃとか、自分で自分にプレッシャーをかけていたのだと思う。
彼の言葉は、そんな私の気持ちを軽くしてくれた。
心の中に芽生えたこの温かくくすぐったい気持ちはきっと『憧れ』というものなんだろう。
そうでなければならない。それ以上の思いにしてはいけない。
だって彼は、私には到底手の届かない人だから。



