「すぐ15階の第三応接室に来てほしいって」
河田さんはなおも声を潜めてくれて、私もつられて上体を低め、小声になる。
「『センム』というのは、平社員にとって雲の上の存在の『センム』のことですか?」
「それしか考えられないよねえ。現専務の苗字って社長と同じ『神代』だし」
「それは専務本人からの電話だったんですか?」
「うん。そう名乗ってた」
「えっ!」
全く意味がわからない。
もし何かとんでもないミスをしでかしたとして、管理職ではなく重役から名指しで呼び出されることなんてあるだろうか。
「よほどの事件ってやつだったらどうしようか。印刷頼むの待ったほうがいいかなあ」
深刻そうに呟く河田さんに身震いがする。
いや、困惑している場合じゃない。
相手が本当に『専務』で、しかも急いでいる様子だったのなら、早く行かなければ。
「ちょっと行ってきます」
心配そうな顔の河田さんを背に、総務部のフロアを出た。
河田さんはなおも声を潜めてくれて、私もつられて上体を低め、小声になる。
「『センム』というのは、平社員にとって雲の上の存在の『センム』のことですか?」
「それしか考えられないよねえ。現専務の苗字って社長と同じ『神代』だし」
「それは専務本人からの電話だったんですか?」
「うん。そう名乗ってた」
「えっ!」
全く意味がわからない。
もし何かとんでもないミスをしでかしたとして、管理職ではなく重役から名指しで呼び出されることなんてあるだろうか。
「よほどの事件ってやつだったらどうしようか。印刷頼むの待ったほうがいいかなあ」
深刻そうに呟く河田さんに身震いがする。
いや、困惑している場合じゃない。
相手が本当に『専務』で、しかも急いでいる様子だったのなら、早く行かなければ。
「ちょっと行ってきます」
心配そうな顔の河田さんを背に、総務部のフロアを出た。



