もうエミリオ様のことを聞いても特に心は動かないけど、彼女が私のことがあるからと彼と付き合えないと思わせてしまうのは、気の毒だもの。
エミリオ様とジャスティナは、上手く行ったのかもしれない。そうなれば、私は彼女の親友として祝福しなければ。
けれど、そんな私の予想とはうらはらに彼女は、思いもよらぬことを言い出した。
「……あの、実はこの前の夜会で、聖女さまが勇者シリル様に言い寄っていると、噂になったの」
「え? ……ええ。そのようね?」
確かに勇者シリルや聖女ベアトリス様など、勇者ご一行様は世間に出てきていなかった。
だから、私たち貴族は、彼らの詳しい関係性なんて知る訳もなく……その姿だって見たことがあるという人は少なかった。
「だから、今噂になっているのよ。もしかしたら……勇者様は、聖女ベアトリス様との縁談を断りたいからと、フィオナと結婚したんではないかって……あのっ! 私は別に疑っている訳ではないわ。あくまでそういう噂があるってことだから」
ジャスティナは彼女の話の途中で私の顔色が変わったことに気がついたのか、慌てて説明を増やした。
エミリオ様とジャスティナは、上手く行ったのかもしれない。そうなれば、私は彼女の親友として祝福しなければ。
けれど、そんな私の予想とはうらはらに彼女は、思いもよらぬことを言い出した。
「……あの、実はこの前の夜会で、聖女さまが勇者シリル様に言い寄っていると、噂になったの」
「え? ……ええ。そのようね?」
確かに勇者シリルや聖女ベアトリス様など、勇者ご一行様は世間に出てきていなかった。
だから、私たち貴族は、彼らの詳しい関係性なんて知る訳もなく……その姿だって見たことがあるという人は少なかった。
「だから、今噂になっているのよ。もしかしたら……勇者様は、聖女ベアトリス様との縁談を断りたいからと、フィオナと結婚したんではないかって……あのっ! 私は別に疑っている訳ではないわ。あくまでそういう噂があるってことだから」
ジャスティナは彼女の話の途中で私の顔色が変わったことに気がついたのか、慌てて説明を増やした。



