「その格好すると、胸が……うん。胸の谷間が見える。フィオナって、着痩せするタイプだったんだね。あ。俺の前だと、良いんだよ! 俺は、夫だからね。君のそういうところを見れる権利を持っているのは、俺一人だけだからね。けど、結婚式用のドレスが出来る前には、あんまりそういう格好をしない方が良いかも知れない……うん。我ながら、理性が心もとないから。ごめん」

 私は彼にそう言われて下を見ると、確かに薄いネグリジュを押し上げるように胸の形がくっきり出ていたので、慌てて前をかき合わせた。

「ごめんなさい。シリル」

 これは恥ずかしいところを見られてしまったと謝った私に、シリルは慌てた様子で言った。

「あっ……謝らないで! フィオナは、何も悪くないんだよ。むしろこちらからすると、見せてくれてありがとうなんだけど。結婚を焦ったのも俺が、悪いよね……婚約期間なしで一緒に住み出したのも、何もかも俺が悪いんだ。けど、時期的に本当に、目の毒でしかないから……俺の前で薄着する時は、気をつけてね」